社会経済

子供のためにはお金がかかる。

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子供のためにはお金がかかる。(12.08.27) 今年の夏の甲子園(高校野球)は、史上初の春夏同一カードの決勝戦、2強(大阪桐蔭、光星学院)が抜けていたという結果に終わった。いわゆる野球エリート校、有望な選手を集め、集中して取り組んでいる学校である。 8強まで広げても、桐光学園、天理、作新学院、東海大甲府、明徳義塾と野球強豪校の私立が占め、公立で残ったのは倉敷商業のみである。 ▼学校運営をビジネスと考えれば、高校野球で名を売ることは間違えではない。個々の選手も、親元を離れ、高校三年間をひとつのことに集中し、ストイックに過ごすことは、尊敬の念を抱く。 今シーズン、世界的なビッグクラブのマンチェスターユナイテッドに移籍した香川真司。彼も、中学時代からサッカー留学をし、信念を持って打ち込んだからこそ、世界的なプレイヤーになれた。 ▼子供たちが夢を追うために、できる限りのことをしてあげたいと思うのは親心である。しかし、私立高校に進み、親元を離れ寮生活を送り、スポーツに打ち込むためには、相当な費用が必要となる。 私のいとこは、都内の野球強豪校から、プロも多数輩出する名門大学の野球部を経て、プロを目指し、アメリカに野球留学をした。しかし、夢はかなわず、現在、野球と関係ない仕事をしている。 夢を追いかけた本人も、子供を通じて夢を共有した親も、結果がどうであれ満足しているが、夢をあきらめるまでに費えたお金は、一般的な会社員の家計には相当なダメージを与えることになった。 ▼子どもの受ける教育が、親の所得差によって影響されることを「教育格差」といい、これが社会問題化しているのも、スポーツ留学と同じことである。 教育でも、スポーツでも、子供が将来羽ばたくために、親がどれだけ援助できるかが大きな分かれ目になる。特に、最終学歴が重要視される日本の労働市場では、子供の将来に占める教育の割合は大きい。 しかし、超有名企業のリストラのニュースが日常的になり、消費税をはじめ、家計負担がずしりと重くなる今後、教育にお金をかけられる世帯は減少する。 ▼不動産市場でも、このジレンマ、教育に力を注ぎたいが、先立つものが心細い、という心理が影響してきている。公立学校の良し悪しによる地域選び、地価への影響である。 一般的な住宅地の地価は、いろいろ理屈はあっても、人気によって決まる。通勤が楽、生活が便利、街並みが素敵、いろいろあるが、要は、ここに住みたい、住むといいことがある、と、どれだけの人が思うか。 地価が高い地域は、高所得者が多い(買えないから)、高所得と高学歴は比例する、その子息が通う学校のレベルは上がる、それを目指して、高学歴・高所得の人が流入する、また、地価が上がる。 ▼公立の学校に行かせて教育費を抑えられても、学力のために地価の高い地域で居を構えれば、住居費や生活費(物価も比例する)が高くつくので、結局、変わらないのか。 千葉県内の不動産業者数は、一年毎に100社ずつ減少している。経済が弱くなる、人口が減少する、家計が苦しくなる、これらがすべて、不動産業界に影響している結果であり、今後も同じ状況が続く。