不動産業界

善管注意義務

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善管注意義務(08.12.23) 善良なる管理者としての注意をもって処理する義務を略して“善管注意義務”と呼ぶ。 これは不動産取引に伴うものだけではなく、広く契約行為に関する決まりである。 民法第644条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、 委任事務を処理する義務を負う。 不動産会社(宅地建物取引業者)にあてはめてみると、 不動産取引を仲介もしくは代理する行為を行なう際、その者の職業や社会的地位、 能力等において、社会通念上、一般的に要求される注意とされ、 不動産会社は単に業務を処理するだけに留まらず、専門家、 その道のプロとして標準的な注意を尽くす必要があるとなる。 広義で抽象的な決まりであり、どこまでの注意義務が専門家として 問われるか難しいところであるが、過去の判例を見てみると、 宅建業法に定めのある説明事項に留まらず、 買主であれば購入の意思決定にあたっての過不足ない情報提供まで及んでいる。 さらに過不足ない情報提供というのもがどこまで含まれるかが争点となるが、 通常の不動産取引で行われている業務を、手抜きやずさんな対応で怠ったものと 認められると善管注意義務の違反になるとされる。 一般の方には、通常の不動産取引で行われるレベルというのも分からないため、 最終的な判断は裁判までいくことになる。  ◇違反と認められた例  ・登記簿の閲覧を怠った  ・行政調査ミス  ・顧客からの特別な注文に関しての配慮ミス  ・税制の説明ミス(専門家への確認を怠った)  ・当事者の本人確認ミス  ・取引相場の調査を怠った  ・詐欺的商法の見逃し(確認すれば容易に判明した場合)  ・近隣の嫌悪施設見逃し  ・違反建築(中古)の見逃し  ◇違反と認められなかった例  ・専門家でないと分からない遺跡に関して  ・大雨時の冠水被害を通常では予測できなかった この善管注意義務に違反し、依頼者に損害を及ぼした場合は、損害賠償責任を負います。 これは直接の依頼関係がなくても、請求されることがあり、 従業員が行なった行為でも業者に責任が及びます。 ただし、善管注意義務があったとしても、相手方に損害を及ぼした場合に限られ、 相手方にも過失があった場合は過失相殺(損害賠償請求の減額)があります。 不動産取引に伴うものとして重々しく説明致しましたが、 この善管注意義務と似たようなものとして、 自己の財産におけると同一の注意義務というものがあります。 民法第659条 無報酬で寄託を受けた者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、 寄託物を保管する義務を負う。 条文の通りですが、例えば、人からちょっと預かっていてと頼まれた場合、 プロとしての義務までには至らないが、自分が所有する場合と同じように取り扱わなければならない。 自分の所有物ではないからと、雑に扱ってはいけませんよということです。 [cc id=1120 title=”下部売却バナー”]