不動産取引

民法改正の契約不適合責任への対応について

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民法改正の契約不適合責任への対応について

日ごとに深刻さを増す新型コロナウイルス危機。

不要不急の外出は自粛と要請されていますが、
昨日は、街中ではクルマが大量に動き(平常の倍?)、
(日常的な)商業施設では人が溢れていました。

日々の食生活などは不要不急ではなく、
生きていくための必須のことです。

不動産の取引は、年度替わりのため、
賃貸に関しては必要なことかもしれませんが、
売買は、すでに取引に入っていない場合、
これから、売ろう、買おうという方は、
よほどのことではない限り不要不急にあたり、
行動がセーブされているため、
新規のお客様は少なくなっています。

さて、この危機で大変なことになっていますが、
もしかしたらそれ以上に大変なことが、年度替わりで起こります。

それが「民法の改正」の施行です。

そのうち、不動産売買で大きいのが、
「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」への転換です。

従来の民法で定められていた「瑕疵担保責任」は、
引渡した物件に何かしらの隠れた瑕疵(問題)があれば、
損害賠償もしくは契約の解除となりました。

この瑕疵担保とする部分が曖昧であったことから、
今後は「契約不適合責任」と改めて、
まず、「どういう内容で引渡す」かを、
売買契約にて定めて、
その「内容」にそぐわない場合、
1.修補などの追完請求(追加)
2.代金減額請求(追加)
3.損害賠償請求(従来通り)
4.契約解除(従来通り)
このようなことを買主は売主へ請求できます。

今後の売買契約において、
契約約款の文言はすべて上記のように置き換わります。

ただし、
この約款内容が実務に染み込み、
私を含めて、各業者、各担当者が、
流通(仲介)の現場で統一見解として、
どのように処理されていくのか、
1年、2年という歳月を経て、
落としどころが落ち着いてくると思います。

それまでの間は、
この約款(民法)の解釈や取り扱いについて、
売主、買主、不動産業者それぞれに、
疑義が生じることでトラブルも多く発生します。

対処方法として、
1.売買契約書に細部まで記載する
2.瑕疵担保責任保険に加入する
3.契約不適合責任を免責とする
のいずれかが考えられます。

1の細部までの記載の場合、
土地や建物が出来てからの情報(書類)が
適切に保管されているか、
新築時から売却までの間、
定期点検を受けているか(書類の保管含む)、
売却時点で検査を受けているかが重要になります。

2の保険に加入する場合、
1のように未点検や書類の不備などの際に有効となります。
過去は分からずも、現時点での状況を
買主へ提示することで、どのような内容で
引渡しとなるかが明確になります。

3の免責とするのは実務上、
売主および業者は楽になりますが、
買主にとっては権利(保護)を失うことから、
その分、売買時点から「代金の減額」を求めてきます。

記録はない、点検もしない、減額もしない、
これでは、売り物件が多数あるなか、
見向きもされないことになるかもしれません。

ベストは1と2の組み合わせですが、
車のように車検制度がない住宅では、
ほとんどの住宅で1の対応ができません。

現実的には2の保険加入(検査あり)として、
その内容を買主へ提示して、引渡すということになるでしょうか。

あまりにも古くて、評価が厳しい建物の場合などは、
代金減額(評価減)を受け入れることとなります。

いずれにしても、
物件の状態により対応は変わりますので、
ご依頼される不動産業者、担当者と、
どのように対応していくか、よくご相談ください。