昨日、少し久しぶりに、競売物件を購入したい、という相談をお受けしました。
お隣のうちが競売で売り出されたので買いたい、
でも、「競売」なので、どうしたらいいのかわからない、
トラブルや手続きなど大変そう、
「大手」さんに相談したけど、よくわからないので、
専門家に相談してみてくださいと門前払いにされた、
とのことでした。
競売物件と言っても、
住宅ローンの支払い苦による競売ですので、
以前のイメージと違い、
ドロドロしたものでもなく、
整理屋(反社会的勢力)などの恐持ても出てこないため、
構えすぎることもございません。
しかし、今回の場合、
お隣さんである(顔見知り)ことから、
人間関係での難しさは残るかもしれません。
競売物件を購入する際に肝となるのは、
手続き面よりも資金面の方になります。
まず、競売開始(公告)され、
入札(期間限定)の受付が始まります。
公告された際に、
ネット上(BITシステム)にて、
俗に言う三点セット(物件明細、不動産評価、現況調査報告)を入手し、
不動産の内容を確認し、入札価格を決めます。
まず、この部分で、一般の方が陥りやすいのが、
「売却基準価額(公的な目安)」、
「買受可能価額(最低価格)」で
買えると思いがち(ほとんどの方)であることです。
不動産そのものに問題がある、
引渡しや権利関係に懸念がある、
というマイナス面があれば、
基準価額や可能価額で購入できることもありますが、
それは安く買えたのではなく、
安くしか売れない物件を買ったということです。
実際には、競売物件を購入(落札)するために、
入札金額をいくらに設定するか、
売却基準価額に・・%上乗せするか、
検討が必要となります。(購入したい事情も含め)
もう一つ、一般の方が陥りやすいのが、
落札後の資金面についてです。
近年、競売物件を購入するための住宅ローンも
対応する金融機関が出てきましたが、
一般的な購入よりも、
期間や手続きに縛られることも多く、
柔軟に対応が可能かどうか、確認しておく必要があります。
また、落札し、資金を手配できて、
購入できた後にも、資金的な問題があります。
今回のご相談者のように、
戸建てや土地の場合は対象外ですが、
マンションの場合、
管理費等の滞納分も買主側で対処する必要がございます。
また、戸建てやマンションなら、
立ち退きまでの時間や手続きに要する費用、
建物の状態によるリフォーム代金、
家財処分費用などの雑費も必要となります。
競売物件のほとんどは、
建物の状態は悪く、家財も想像以上にひどい。
(土地なら解体工事、整地費用など)
正直なところ、
資金面では、競売物件でも、一般的な購入でも、
ほとんど差がないので、
お隣さん(隣地)などの
事情、状況などから、どうしてもそれ(競売物件)でないと、
というケースでなければ、
競売物件の購入をお勧めしづらい。
ダメもとで(宝くじに近い)、
激安で落ちればよい、
ダメならあっさり諦めよう、
入札に係る費用分はムダになっても仕方ない、
というお気持ちであればという感じでしょうか。